Hewlett Packard社のHP9000 Series 300 Model 310本体＋周辺機器上でHP BASIC5.1のインストール・動作確認をしたGPIB電子計測器コントローラー コンプリートシステムの出品を致します。
出品にあたりModel 310の最小構成(本体+専用キーボード+GPIB FDD＋Display＋OSインストールディスク)に以下の主要ハードウェアを加え構成しました。① 本体メモリー(RAM)に加えメモリーカードを追加し、合計4.5MBとしました。これにより大規模なプログラム開発が行えるとともに、より多くのメモリーを必要とするHP-UXなどのOSも動作させることができます。② システム化に必須なコンポーネントにGPIB接続のHDD(emulator)を加えることで、フロッピーベースのシステムでは時間と手間がかかるOSのブートやファイル入出力動作が劇的に早まり、実用性を高めることができます。
全体として見れば35年ほどの年月を経たこのシステムの処理能力や記憶容量は現代のPCに及ぶべくもありません。所詮レトロコンピューティングの類かと思われるかも知れませんが、Windows機のようなマルチユーザー・マルチタスクの複雑なOSではないシンプルな動作なため、事電子計測器をGPIB経由でコントロールする専用システムとして見ればまだまだ現役で利用できるシステムかと思います。
ただし、古い機器ですので稼働の信頼性は保証(保障)できないため、業務用ではなく私的な研究や趣味的な利用に留めていただくようお願い致します。これは付属するBASIC 5.1の使用許諾条件でもあります。
1980年代HPのSeries80/200/300機をお使いだった方はもちろん、NECのN88 BASIC等でプログラム作成をなさっていた世代の方には、GPIBを介した計測器制御は比較的容易に取り組んでいただけるかと思います。GPIB計測器制御という実用性を合わせ持つレトロコンピューティングでの温故知新体験はいかがでしょうか。
文末の詳細解説もご覧の上不明点があれば質問欄でお願い致します。

商品内容HP9000 series300 310 Workstation 本体 1台メモリー 本体1MB、追加3.5MB 合計4.5MB(メモリーカード2MBx1+１MBx1+256kBx2) 実装済
HP9000 series300用 ITFキーボード 1台 (キートップ英語版、接続ケーブルは直出し 画像6上段)
HP9122C 3.5inch Dual Floppy Disk Drive  1台 (画像2最上段)
HP series200/300用 Hard Disk Emulation System (Fujitsu FMV DESKPRO C7E70 PC Windows XP上に構築 内装HDD 160GB DVD RAM Drive付 画像2最下段) 非純正品の有線USBキーボードと有線USB光学マウス付属
GPIB接続用 50㎝ケーブル(非純正品)2本
カラー液晶ディスプレイ Sharp LL-T1610W 1台 (画像1左 画像4)
 1280x1024 dot 16inch、Sync On Green 対応、専用ACアダプター内蔵
VGA信号切替器とケーブル３本 (画像5)Model 310 WS→VGA切替器、FMV PC→VGA切替器、VGA切替器→ディスプレイ)
再インストール用HP BASIC 5.1 software 3.5inch FD 7枚組 (画像6下左)3.5インチ フロッピーディスク メディア 未使用未開封10枚組 ケース付 (画像6下右)
これ以外に 各機器用３極電源コード(非純正品) 3本、HP BASIC 5.1の日本語解説書・コマンドリファレンス PDFファイル収録のCD-R 1枚 が付属します。

現状動作9122CおよびHDD エミュレーターの各ドライブからシステム上でASIC 5.1のbootを確認しました。
言語拡張・ドライバーの読み込み、およびboot完了でAUDIO出力端子からのBEEP音を確認しました。
Displayに80桁x26行で英数文字が行われたこと、512x400ドットのグラフィックス枠(Hard Clip限界)が表示されたことを確認しました(画像7)。
9122C 2基のFDDでINITIALIZEを行いエラーのないことを確認後、相互にRead/Writeを行い正しく動作していることを確認しました。また、HDDエミュレーターについてもFDD同様のチェックを行いました。
付属フロッピーディスク7枚目マニュアルサンプルプログラムの "Pie_Chart" を走らせ、画像8が描かれることを確認しました。
HDD Emulatorの動作について、プラットフォームのWindows XPの画面にhpdriveのDOS PromptがStart Upで現れていることを確認しました。加えてhpdirを起動し 4つに区分された各ドライブでDOS Promptに各ドライブの内容が表示されることを確認しました(画像9)。この時点では700,0,0のドライブBASIC 5.1のシステムファイルが置かれているのみですが、Model 310でCATコマンドで各ドライブ内容を表示すると、hpdirでの表示と同等の内容であることがわかります(画像10)。

現状外観液晶Displayの背面カバーが欠落しています(画像4)。ITFキーボードのケーブル先端モジュラーコネクタの爪片側が欠落しています(電気的接続や抜け止めロックには問題ありません)。9122C FDDのプラスチック部分に経年による黄変が見られます(画像2最上段)。
その他全体的には年代なりの多少の汚れ・小キズなど使用感はありますが、大胆な亀裂や凹み変形などはなく、使用に不都合はありません。

保証(保障)製造時期の古い品ですので、動作保証期間を設けることはできません。ノークレーム・ノーリターンをご了解の上入札いただくようお願い致します。特に見た目を理由にしたキャンセルには応じかねますので、少しでもご懸念のある場合は入札をお控えください。サポートに関しては上記現状動作にあるboot完了確認までと文末詳細解説にあるHP Computer Museumのアーカイブに関するご相談に限らせていただきます。使いこなしにはある程度の英語ドキュメント解読力が必要であり、当方では翻訳解説等はできかねる点ご理解願います。
例外的に到着時通電しない全く動作しないなどの症状がある場合は対応しますが、再チェックのための返送料は勝手ながら落札者様のご負担とさせていただきます。やや複雑なケーブル配線接続を必要としますので、間違いのない確実な結線で動作確認をお願い致します。